【-  公開日  -】 2018年03月02日
【- 最終更新日 -】 2018年03月11日

紙の本ってもう要らない?どうすればいいのか考えてみよう!

記事読了まで約〈 15 分15秒 〉です。

電子版コミックス(単行本)の売り上げが紙の単行本を上回ったというニュースをみて、多くの人は「やっぱりか・・・」と頷いたのではないでしょうか。

かくいう私自身もその一人ですが、一方で「紙の本にしかない魅力」がどうしても手放せない人間の一人でもあります。

ということで今回は『紙の本が生き残っていくためには何が必要か?』というテーマでちょっとアンケートを取ってみました。ご協力いただいた方々には感謝ですm(_ _)m

紙と電子版の関係性

まずはこの議論の前提をちょっと見ておきたいと思います。

今回のデータは公益社団法人である出版科学研究所が公表したデータで、このデータによれば2017年の統計では電子版が1711億円、紙の単行本が1666億円となっており、電子書籍版の市場規模(推計値)が45億円ほど紙の書籍を上回ったことになります。

コミックスの売り上げ全体は前年比で2.8%減少し、4330億円とのことなので、電子版の伸び(17.2%増・前年比)に対して紙の書籍の売り上げの落ち込み(14.4%減)が激しいことを物語っています。

2016年の段階では電子版の1460億円に対し、紙の単行本は1947億円と500億円近く市場規模は離れていたので、今回の下落幅は相当なものということがわかるのではないでしょうか。

詳しいデータについては上記リンク先で読むことができるので興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

日本全体の紙の書籍の取次量の低下についてはこちらのページで見ることができるようです。

こちらを見てもコミックスに限らず、紙の書籍全体の市場規模が縮小しているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。

電子版は「紙の上位互換」であるという事実

上で見てきたように多くの読者にとっては紙の書籍より電子版が好まれ、結果として需要が拡大しているということがわかると思います。

電子版には、

  • 在庫切れを発生させず、必要な時にすぐにダウンロードやストリーミングで読むことができる

というインターネット自体の利点のほか、

  • 割引などで安く手に入れることができる

というメリットがあることもこの需要が拡大している理由の1つではないかと思います。

また、

  • 保管に場所を取られない点
  • 大量に持ち運べるという点

などもメリットといえるでしょう。

他にも

  • 他人に知られず好きなジャンルの本を堂々と買えるという気楽さ
  • 暗い場所でも読むことが可能で文字の大きさや間隔などを自分好みに変更できる

といったユーザビリティでの優位性もあります。

 

加えて、電子版が支持される消極的な理由としては、

という部分もあるかと思います。

 

つまり紙の本で出来ないことを電子版は可能にしているということになります。こういった点をみれば多くの人にとって魅力的に映るのは当然だといえるのではないでしょうか。

紙の本が存続するためにはどうするべきなのか?

ですが、紙の本が生き残るための方法も全く無いわけではないハズと、今回は10人の方にそちらの解決方法を考えていただきました。

ではさっそく見ていきたいと思います。並びは年齢順になっています。

ちなみにご意見の下のちょっと辛辣なコメントはあくまでも私個人の意見です。ご意見とその持ち主について謗っているわけではないのでその点はご理解ください。

意見・その1
20代男性

書籍に関連した付録を設けることだと思います。
電子書籍だと付録のサービスは出来ず、紙の書籍ならではの強みではないかと思います。

紙の本ならば確かに「モノ」なので付録は付けられそうですが、そうなると同じ内容でも高コストになるのかなと思います。そのコストを吸収できるかと言われると微妙かもしれません。

 

意見・その2
20代女性

ネット書籍が流行っていますが私は忘れた頃でもふと読めるように現物で買いたいです。現物で買ってもらうには製本が素敵であるべきです。素敵な表紙重厚感のある製本。現物ならではが必須かと思っています。

こちらのご意見は「表紙などの装丁をより魅力的にしていけばいい」ということみたいですね。
あくまでも文庫本ではなくハードカバーのような保存を前提とした書籍に付加価値を加えていくのであればアリだと思いますが、失敗するとコスト的に痛そうだなあ・・・。

 

意見・その3
20代女性

紙の本は好きですが、森林伐採が気になります。
『植林された木で作っている』『購入額の一部が環境活動に使われる』など、紙の書籍を買うことでエコに繋がるようの試みがされれば嬉しく思います。

「買うことによって環境保全に役に立つ」というイメージ戦略は悪くはないですが、すでに使い古された感じはします。そもそも「本を作るために木を植える」という行為自体が最近だと環境破壊として批判の対象になりそうです。

 

意見・その4
20代女性

紙の書籍にしかできない・表現できないものを作る必要があると思います。紙の書籍の一番の特徴は、紙を一枚ずつめくって読むことです。例えば電子書籍では感じられない紙の質を追求する等の対策が必要でしょう。

確かに紙の本はあの「ページをめくる感覚」があるのがいいですよね。今のところ電子書籍では擬似的にページめくりを表現しているものはありますが、それを上回る「読んでいる感」を出すものはない気がします。確かに「紙にしかないメリット」なのかもしれません。

 

意見・その5
30代女性

義務教育中の辞書は電子辞書禁止とする。スマホに頼っていたら人間はなにも調べなくなると思う。自分から情報を取捨選択するためにも書籍は必要です。

ふむ・・・教育での電子機器使用の禁止ですか・・・。ちょっと時代に逆行している感じがします。情報自体はネットに大量にありますし、取捨選択自体は書籍も玉石混交の状態なので必ずしも適切ではない気がします。

 

意見・その6
30代女性

文庫本など漫画に比べれば値段は高いのは当たり前なのですが、もう少し値段が安くなれば買う方も増えるのではないかなと思います。

書籍の販売不振のもっとも大きな原因は確かに価格が高すぎることなのかもしれません。さてなぜ価格が高くなるのか、皆様はご存知でしょうか・・・。

 

意見・その7
30代女性

司書以外に、より細かなニーズに合わせられる紙の書籍のキュレーターが必要だと思います。小学校図書館などにも配置し、子供たちが幼い頃からもっと紙の書籍に触れ、その魅力を学べる機会を増やすべきだと思います。

確かに小学校の時点で読書を好んでする子どもとそうでない子どもの分化は始まっている気はします。ただ司書以外に人を増やすとなるとコスト的にも苦しいでしょうし、そもそも強制ではない時点で興味のない子どもたちにはあまり意味が無いのかもしれません。

 

意見・その8
30代女性

若い世代に紙の書籍を読む習慣を身に付けて、紙で読むことの良さを知ってもらうことが一番だと思います。そのためには、学校での教育や、地域の書店の利用を促す活動などが必要だと思います。

こちらも若いうちの習慣付けをすべきだというご意見ですね。でも、そもそも上で挙げたように「電子書籍にしかないメリット」が多い状態で紙の書籍を強制することが無理な気もします。特に今の若い人たちはインターネットに親和性が高い世代なわけですし・・・。

 

意見・その9
40代男性

紙の書籍が生き残るために重要な点は、自分の手でページをめくっていき、その先を想像する事に意義があると思います。

確かに先を想像するのは本を読む時の楽しみの1つではありますが、そもそも紙の本でなくてもこの楽しみは成り立つでしょうし、マンガではなく活字を読むべきって話になっちゃう気がします・・・。

 

意見・その10
40代男性

書籍はデフレと言われてる時代でも、順調に価格が上がっているので、価格競争を阻害してる法律を変更する必要があると思います。なお、今のところ電子書籍が紙書籍の存在を脅かしていると思ってません。共存できます。

確かに本の価格を決定しているのは出版社であり、各販売店に対してこの金額を守って販売することを強制することが可能になっています(いわゆる本の再販制度。)
本来は独占禁止法で禁止されている再販売価格の維持ですが、書籍や新聞、音楽CDなど6品目についてはこれらの適用除外となっているようです。この点については公正取引委員会を始め、関係機関での議論は行われてきたようですがそのまま維持されているようですね。
一応、この制度の問題を是正するためという名目で責任販売制(販売店のマージンを多くする代わりに引き取り価格を低減させる制度)などを導入しているということですが、消費者側の利益はあんまり考えられていないのが実情みたいです。

さて、この点を改善する気があるのかどうか・・・。ということで書籍の価格維持は法律によって規定されているわけではなく、あくまでも出版社の言い値で販売させる契約が可能であるということですね。

本の再販制度についての詳細は以下の各ページをご覧になってください。基本的には消費者向けの記事なのでわかりやすく書いてありますよ。(最後のは報告書みたいなのでちょっと読みづらいかな・・・。)

ということで回答いただいたご意見についてはここまでになります。・・・ちょっと辛口でコメント書きすぎたので気分を害された方は申し訳ありませんm(_ _)m

アンケート

さて、ここまで読んでいただいた方にアンケートになります。ご協力いただけると幸いです。

◎あなたは紙の本と電子書籍、どちらを利用したいと思いますか?

投票せずに結果を見る

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ご協力ありがとうございますm(_ _)m

まとめ

以上で「紙の本が生き残るためにはどうすればいいか?」という点について、お訊きしたご意見を含めた今回の記事は終了になります。

やはりそう簡単には劇的に改善する策が出てくるってことはなさそうですね・・・。

そもそも書籍の価格の高さには出版業界の「稼げる少数の人間をサポートする多数の人間」という構図や書籍自体の「流通コスト」も大きく関わってきているわけですから、昨今の事情を考えてもいきなりの値下げとはいかなそうです。

今回は明確な結論を出せないままでしたが、このやり方だといろいろと自分も考えることができるのでちょっと楽しい感じです。こういった記事も今後は増やしていこうかなと思います。

紙の本についての個人的な意見

最後に個人的意見をちょっと書いておこうと思います。

個人的な感覚としてはインターネットで情報を簡単に得られる現代では情報そのものが消費されるだけの存在になっているのではないかと感じます。

たとえばマンガ本1冊にしたって買った後に何回読み返しますか?おそらく1~2回読んだらほとんどの本は忘れた頃にたまに開くかどうかという状況ではないかと思います。

この状況でのコミック1冊400円前後の価格は正直高すぎると感じます。昔は紙という媒体が最も情報を伝えるのに適していたというだけで、現在ではその役割はディスプレイが担っています。

つまりインターネット社会になり、多くの人が情報を発信している結果、情報自体が供給過多になり、情報の価値そのものが昔に比べて下がっているともいえるわけです。

実際、紙の書籍に限らず、昔は効率的に情報を収集できていたはずの新聞も徐々にその役割を終えつつあります。これも1つの媒体の中に情報を詰め込むというやり方自体が過去のものになっているという証拠だといえるでしょう。

『必要な情報を必要に応じて細かく収集。』これが現代人の情報取得の方法です。そもそもすべての情報を一つにまとめるということ自体が価値観の多様化によって不可能になっているのではないでしょうか?

この形に対応するための方法は

  1. より細かい単位で情報を切り売りする
  2. 価格を下げてそのままのスタイルを維持する
  3. 定額制にして読み放題にする

などしかないと思います。

1の情報の量を減らして切り売りするというスタイルはマンガが読めるアプリなどで実際に導入されている方法です。

2の価格を下げて売るというやり方は利益率の低下を意味するので作家や出版社からするとあまり好まれるやり方ではないと思います。読者からしてみると嬉しい限りですが・・・。

3の定額制サービスは書籍ではすでにAmazonのKindle Unlimitedなどで導入されている方法です。これは定額で読んだ分だけ作者に還元されるシステムなので今までの箱売りのようなやり方とは一線を画します。今までのやり方で運営してきていた出版業界の場合には多くの場合、利益率は下がるのではないでしょうか?

ただしこのどれもが「電子版」で行われている方法です。

もし1のやり方を紙の書籍で実践すればコスト面で耐えられないでしょうし、2のやり方も配送コストなどを考慮すると現実的ではありません。3のやり方は有料の図書館、もしくはマンガ喫茶のような方法でなら可能かもしれませんが、運営コストがかさむ気がします。

結局、紙の書籍のコストパフォーマンスの悪さからすると、どう足掻いても電子化には勝てないというのが実際のところなのではないでしょうか。

ただし、電子版を前提とした場合には紙の書籍が生き残るための方法はあるのではないかと愚考します。紙の書籍のネックとなっているのが運送にかかるコストや印刷費用というのであれば、ですが・・・。

 

では今回はここまでです。お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

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筆者紹介

ほんと参った

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