【-  公開日  -】 2018年01月30日

通信の秘密とTorの関係性

記事読了まで約〈 5 分51秒 〉です。

最近、ニュースなどでよく聞くTorやダークウェブはなぜ規制されないのか、とお考えの方もおられると思います。そのため、この記事では日本での法規制とTorの関係性について個人的に考察しています。

あくまでも個人的な見解のため、必ずしも正しいとは限りません。そのため参考程度にお願いします。

日本における通信に関しての法規制

日本でも他の自由主義国と同じように日本国憲法21条2項において『通信の秘密』は保護されています

日本国憲法 第二十一条二項

検閲は、これをしてはならない。
通信の秘密は、これを侵してはならない。

そのため基本的には通信内容の傍受、全トラフィックの監視・解析などは検閲に当たり、憲法違反の行為となるため禁止されています。

ただし、例外的に重大犯罪に関する捜査で証拠集めのために通信を傍受しなければならない場合など、通信の秘密が制限される必要のある部分については『犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(通信傍受法)』という法律で定められています。

通信の傍受が可能とされている犯罪類型

通信の傍受が可能な犯罪は、
1.大麻・アヘン・麻薬・覚せい剤・向精神薬などの輸入・販売・所持に関する犯罪(別表第一・一号、二号、四号、六号)
2.拳銃などの武器の製造・輸入・販売・所持に関する犯罪(別表第一・五号、七号)
3.集団密航などの出入国に関する犯罪(別表第一・三号)
4.組織犯罪(別表第一・八号、九号)
5.爆発物の製造・使用に関する犯罪(別表第二・一号)
6.放火・殺人・傷害・誘拐などの人の生命・身体に危害を加える犯罪(別表第二・二号イ、ロ、ハ、ニ、ホ)
7.強盗・詐欺などの金銭的犯罪(別表第二・二号ヘ、ト)
8.児童ポルノ製造・販売・頒布などに関わる犯罪(別表第二・三号)
となっています。

ちなみにWikipediaの『犯罪捜査のための通信傍受に関する法律』の項目にある

通信傍受による捜査が許容される犯罪

通信傍受による捜査が許容される犯罪(対象犯罪)は、通信傍受が必要不可欠な組織犯罪に限定される。具体的には、薬物関連犯罪、銃器関連犯罪、集団密航、爆発物使用、殺人、傷害、放火、誘拐、逮捕監禁、詐欺、窃盗、児童ポルノに関する組織犯罪に対する捜査についてのみ、通信傍受が許される(3条1項、別表)。

という記述ですが、『通信傍受が必要不可欠な組織犯罪に限定される』という記述は第3条1項の条文を元にしたものだと思いますが、この法律自体は対象が組織犯罪だけであるとは示しておらず、下記の条文を見ても分かるように複数の独立した個人による犯罪に対しても適用されることもあり得ます。

犯罪捜査のための通信傍受に関する法律 第3条2項

別表第一に掲げる罪であって、譲渡し、譲受け、貸付け、借受け又は交付の行為を罰するものについては、前項の規定にかかわらず、数人の共謀によるものであると疑うに足りる状況があることを要しない。

薬物や銃火器の売買についての通信傍受については、売買が必ずしも組織的に行われているという条件を要しない、ということになるので、個人的な薬物売買であっても通信傍受令状が出されるおそれがある、と考えたほうが自然です。

規制行使についての細則について

しかし、簡単に通信が傍受されるようになっては憲法違反になってしまいますよね。そこで通信傍受については行使についての規則が定められています。

そしてこちらが通信傍受についての規則です。より詳細に通信傍受のための手続きについての内容が書かれています。傍受令状の記載事項の厳守(7条)など、これだけのルールを守らない限り、個人の通信を傍受するということは許されないものとされています。

通信傍受法14条の

第十四条  検察官又は司法警察員は、傍受の実施をしている間に、傍受令状に被疑事実として記載されている犯罪以外の犯罪であって、別表第一若しくは別表第二に掲げるもの又は死刑若しくは無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たるものを実行したこと、実行していること又は実行することを内容とするものと明らかに認められる通信が行われたときは、当該通信の傍受をすることができる。

というのは多少おかしくないか?と思う部分もありますが・・・。(実質的にほかの通信内容を傍受してもいいことになる『抜け穴』のような感じがします。)

こちらの件については、より具体的な内容を法律家の方々がネットや書籍のどこかに書いているかもしれないのでそちらにおまかせします。(『通信傍受法 インターネット』などで検索してみてください。)

まとめ

日本の法規制については直接的にTorの話とは関係ない内容ですが、通信の秘密についてはTorの趣旨と関係してくるのであえて書いてみました。今までのTorの通信内容解析にしても、あくまでも重大犯罪(爆破や殺人予告・もしくは組織犯罪)などの捜査のために必要な範囲で行われたに過ぎないと考えるべきでしょう。

ちなみにこの法律は犯罪捜査のために通信の秘密の権利を一部制限するという趣旨のものであって、個人が他人の通信の秘密を傍受していいというルールではありません。そのため、特定個人に対してのアクセス解析などの行為は本人からの同意がない場合はアウトになるおそれもあります。

もちろん法律的に保護されているとしてもそのルールを守らないウイルスやスパイウェアは存在するので、通信機器へのセキュリティ対策はお忘れなく。

以上、通信の秘密と法規制についての個人的な考察でした。

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筆者紹介

ほんと参った

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