【-  公開日  -】 2018年01月29日

ダークウェブをスマートフォンから閲覧する方法

記事読了まで約〈 13 分9秒 〉です。

「スマートフォンでダークウェブを見てみたい!」

こんなご意見もあるんじゃないかと思います。

ということでこの記事ではスマートフォンからTorシステムが利用できるのかについて解説していきます。

Torはスマートフォンからアクセスできるのか?

当ブログではTor Browserの使用方法などをご紹介していますが、残念ながらTor BrowserはあくまでもPC専用のブラウザなので現状ではスマートフォンで利用することはできません。

(ただし、2018年の目標としてTorBrowserをモバイルに移植するという話があるようです。詳しくはTor公式ブログ『2017 Was a Big Year for Tor』のエントリー内の『What’s Next』という項目をご覧ください。)

しかしながら一応スマートフォン向けにもonionサイトにアクセスできるアプリはあるようです。

例えばiPhone向けには『Onion Browser』がありますし、Android向けにはProxyアプリの『Orbot』とブラウザ『Orfox』をあわせて使う方法があります。

ただし、スマートフォンの性質上、通信はキャリアの契約回線を利用することが多いですし、インターネット接続を必要とするサービスはログインして使うことも多いです。ウイルスやランサムウェアなどへの感染危険性も否定できません。そのため、こういった個人情報を多く扱う端末でTorへアクセスするのは正直オススメできません

Torはモバイルを重視している?

2017年9月5日付けのTorの公式ブログにスマホ向けブラウザ『Orfox』の利便性向上の記事が掲載されています。

TorProject自体、スマホなどのモバイルでのアクセスを中心に開発を続けているみたいなのでスマホから使ってみるのもありかもしれません。

そのうち、ちょっと試してみようと思います。

onion Browser(iPhone)での接続

iOS向けのTor Browser『onion Browser』で接続してみました。

ダウンロードは上記のリンクからどうぞ。インストールなどの方法については通常のiOS用のアプリと変わらないのでここでは割愛します。

まず立ち上げてみると次のような接続画面が表示されます。

この画面のままなかなか進まないんですが、たまに次のようなブリッジ設定の画面に飛ばされます。

一番上がブリッジ無しの接続です。ちなみに基本的にTorで推奨されているのはobfs4なのでブリッジを使いたい方は上から2つ目の『Provided Bridges: obsf4』を選ぶといいと思います。

あと下の方にはIPv4/v6の設定があったりしますが、このあたりは特に弄ること無く『Automatic IPv4/IPv6』を選択しておけばいいと思います。

そして接続に成功すると次のページが表示されました。

このページのトップには「このアプリは本質的にプライバシーを保証しない」と言ったことが書かれているとおり、このonion BrowserではTor BrowserのTorrcファイルのように柔軟な設定ができません。つまりTorBrowserでできたノードの選択などが出来ず、スクリプトも普通に動作してしまうようです。

実際、初期設定のままだと広告などはブロックされずに表示されてしまいました

この設定は中央の矢印の付いたアイコン内の『Browser Settings』という項目から変更可能です。設定項目は起動ページの設定やユーザーエージェント、Cookieの受け入れ可否、トラッキング拒否、セキュア接続の優先設定などがあります。こちらをの設定を変更することで広告などのトラッキングコンテンツが表示されなくなります。

もし少しでも匿名性を確保したいのであれば『Block All Active Content』や『Disable Cookies』に設定しておくほうが無難でしょう。もちろんこの設定では正しく表示されないコンテンツもでてくるのでご注意ください。

ちなみにSSL/TLS接続設定を安全性の高い『TLS 1.2 only』にしてしまうとサポートされていないサイトでは利用できないので、初期設定の『TLS 1.0+』のままでいいと思います。SSL v3はこの中ではもっとも古い規格で(insecure)の表記通り、あまりオススメできるものではないので選択するのはやめておいたほうが良さそうです。

この点についてはSymantecの次の記事が参考になります。

SSLとTLSの違いと脆弱性|Symantec

 

そして下がonion Browserにブックマークされているページです。

本のアイコンを押すとブックマークが表示されますが、一番上のDuckDuckgoのページは当方の環境ではまともに動作せず、ブラウザのアドレス欄での検索はサポートされていないようなのでstartpage.comで検索をかけてみました。

最初はAOLの広告が出てきて検索できないのかと思いましたが、もう一度検索をかけると検索結果が表示されました。ただし、残念ながら通常のGoogle検索のようでonionサイトは検索結果には表示されませんでした。

このままだと埒が明かないので、ひとまず当ブログ内のリンクからオニオンちゃんねるを表示させてみたらうまくいきました。iPhone4S(3.5インチ)からだとこんな感じの表示になります。

ここから先についてはご自身でアクセスしてお確かめください。

ちなみに使用してみた感想ですが、アクセス速度はWi-Fi(光回線)で利用していたにも関わらず相当遅く、使い勝手もあまり良くない(遅いサーバーの回避設定もできない)のであまりオススメできるものではないというのが個人的な結論です。

Orfox(Android)からの接続

今度はAndroid用のTorBrowser『Orfox』での接続も試してみました。Orfoxは単体では使えないので『Orbot』というProxyアプリをインストールするように要求されます。

この2つのアプリはTorBrowserを提供しているTorProjectの公式アプリ(正確には協力体制にある)なので、「大丈夫なの?」という心配については信用しても良さそうです。

ということでさっそくアプリの設定の説明に移りたいと思います。

アプリの設定

インストールが終わったらまずは設定のためにOrbotを立ち上げます。

すると次のような画面が表示されると思います。

さっそく【START】と行きたいところですが、まずは右上の3つの点をタップします。

いろいろと項目が表示されますが、一番上の【Settings】を選択して設定画面を表示させます。

もともと英語圏のアプリなので設定画面ももちろん英語です。

しかしながら日本語表記に対応しているので一番上の【General】という項目の最下部にある【Language】を選択します。

もちろん選択するのは【日本語】です。英語のままで利用したいという方はこの設定はスルーしても構いません。日本語を選択すると設定項目の表示が日本語に変わるので、必要な項目を設定していきます。

 

iOS版のonionBrowserでは設定できなかったノードの選択やポート設定もこのOrbotでは可能なので、より安全に接続することができます。

この項目それぞれに必要な数値や国コードを入力していけばいいので、Torrcファイルに記載する際に必要な設定項目名をいちいち調べる必要がなく、初心者でも使いやすいと思います。

設定が必要な項目についてはすでに他の記事で書いているのでここでは割愛します。

 

また、設定ページの下にある【debug】という項目内にはTorrcを直接入力できる設定もあるので、PC版のTorrcファイルの設定を入力できますし、リレー数の設定など、設定ページにはない部分も設定可能です。

接続中のリレーを確認するためにはステータスバーを下に引き下げるとどの国のIPアドレスを経由しているのかが表示されます。(設定で【Expanded Notifications】にチェックが入っている場合のみ。)

あえてモザイクを掛けていますが、実際にはしっかりと表示されるので設定が反映されているのかを確認するのにも使えます。

なお、このアプリで設定できるのは通常の状態ではOrfoxを利用した通信のみで、すべての通信(アプリや通常ブラウザ)をTor経由にしたい場合にはルート権限を取得する必要があります

とりあえずOrbotの設定についてはこれで大丈夫だと思います。

 

次はOrfoxの設定です。

OrfoxはOrbotの【Browse(閲覧)】ボタンをタップしても起動できます。

単体で起動させても自動的にOrbotが立ち上がるので、Orbotの設定が終わっている場合には直接立ち上げても問題ないと思います。(設定で【Allow Background Starts】にチェックが入っている場合。)

といってもOrfoxで設定しておく項目は少なく、ほとんどの設定はOrbotの項目で十分です。

トップページのスクリーンショット撮影には制限がかかっているようなので、設定項目だけ説明していこうと思います。作りそのものはAndroid版のFirefoxそっくりなのであまり使い勝手で困ることはないと思います。

ただし、言語設定が残念なことにシステムデフォルトとEnglishだけなので結局は英語設定にしかできません。もしかしたら機種によって違うのかもしれませんが、当方の環境(MVNOのSIMフリー端末)ではたまに日本語になるのでその点については不明です。

まずは右上の3点アイコンをタップして【Orfox Settings】を選択、最も安全性の高い【Safast】に設定します。これでほとんどのスクリプトや動画などは動かなくなります。

すでにNoScriptはオンになっているはずなので、あとは【Settings】>【Privacy】の項目内の【Cookies】を【Disabled】に変更したり、【Tracking Protection】にチェックを入れるなどする程度かと思います。

まとめ

その他にもTorを名乗るブラウザはあるのですが、中にはあまり信用出来ないものも含まれているようなのであえてこの2つで検証してみました。

ですがやはり自分のアクセスを管理しつつTorを使用する場合はPCからの利用が便利だと思います。Mac版およびLinux版のTorBrowserではすでにサンドボックス化(IPアドレスやコンピュータ内の他のファイル・プロセスにアクセスできない仕様)されているようで、Windows版でも近いうちに対応させるという話です。

We released a big update to Tor Browser, which brought major security improvements to Tor, isolating attacks on our software so they don’t compromise a user’s computer. This process is called sandboxing, and it works by separating Tor network processes from rest of a user’s computer, denying malicious actors access to users’ files, documents, and IP address. Sandboxed Tor Browser is available for Mac and Linux and is coming soon to Windows.

2017 Was a Big Year for Tor|Tor Blog

ひとまずiOSとAndroidでTorを使用するための簡単な説明だけですが、ご参考になれば幸いです。

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筆者紹介

ほんと参った

一応このブログの管理をやっております。 基本スタンスは「テキトーにやる」なので、あまり期待せずに見ていただければ幸いです。 何か御用がありましたらお問い合わせページよりご連絡ください。 ちなみにnoteはこちらからどうぞ。

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